法人紹介

理事長挨拶

img_director『いつまでもすこやかに生き生きと安心して暮らし続けたい。その願いをかなえる核となります』との基本理念のもとに、保健・医療・福祉の総合施設として建設された『ケアポートみまき』を中心に、この北御牧地域に展開されるみまき福祉会の活動に、診療所の医師として、約十年にわたり、敬意と誇りを持って関わって参りました。そしてこの一年、理事長として、日頃、多くのボランティア活動や地域の方々から寄せられる野菜や穀物やタオル等などの数々のご寄付に、時には、ご利用者のご家族やご遺族から寄せられる多額のご寄付、そして、色々な方々からのご意見や深い心の関わりを知り、このみまき福祉会が旧北御牧村村民の熱い思いで設立され、地域住民達自身の福祉会として、地域の方々に支えられて、立派に運営され、今日に至ったことを、良く理解することが出来ました。

現代社会は『あらゆる病気は治るもの、あらゆる病気は治せるもの、あらゆる病気は治さねばならない』と、うっかり、キュアの医療に偏重した医療への幻想に陥っています。勿論、キュアの医療も必要ですが、本当は医療のほんの一部分のこと、大部分の治らない病でも、例え、死に行く状態でも、看護介護やケアの医療は最後の最後まで必要です。
医療幻想から醒めてみれば、老いたる人も若い者も、新しく生まれてきた者も死の床にある人も、健康な者も病で悩む人も、元気な者もハンディを負う人も、皆、お互いに支え、支えられて、この地で“より良く”生きて行く−いわゆるケアに軸足を置く『生老病死を支え支えられる』そんな医療が、地域の総ての人々に、最も必要な中心的医療なのです。

私共のみまき福祉会は、医療幻想から抜け出しつつ、診療所や地域住民や地域の諸組織、行政等などと手を携えて、常に基本理念を、理想として掲げ、活動して行くつもりです。
しかし、言うは易く行うは難しの言のごとく、我々を取り巻く環境は決して生易しいものではありません。政権が代わり、政策には多少の変化が期待されますが、医療福祉は、本来一連のもので、キュアの医療を含めた制度の抜本的改革と国民の意識の変革が望まれますが、そう容易なものでなく、特に、医療幻想からの覚醒にはかなりの時間が必要です。
しかし、一方、私共の『ケアポートみまき』は、幸いなことに、その建設時に日本財団のモデル事業として、大きな支援のもとに作られた施設であり、日本の一般の福祉施設よりはモデルとして、より模範となる運営をする義務を負っている施設、組織とも言えます。
日頃の運営費はそれとして、公的に『ケアポートみまき』の様なハードを建設すれば、ソフトを整え、職員が努力し、地域が、地域住民が信頼し、支援すればこんな素晴らしい事業が、こんな素晴らしい地域作りが出来ることを地方から発信出来ればと考えます。

私共は、先ず、施設も組織もより地域に開かれた、地域の中の福祉会として、より多くの方々に集まって来ていただける様な場作りを、そして、職員は地域の一員として、地域に参加させていただく、当面は、そんな方向を目指して活動していきたいと考えています。

そして、もう一つ、『生き甲斐』についてですが、ご利用者お一人おひとりの生き甲斐は、共に生きる職員一人ひとりの生き甲斐にも大きく関わることです。人は食べ物を食べ、お尻や身体がきれいであればそれで良しとは言えないでしょう。勿論、人の生き甲斐に関わるなどとは不遜なことかもしれません。とても難しい問題ですが、職員の一人ひとりが、地域住民のお一人おひとりが、常に心に止めておくべきことかと、私は考えています。

平成22年4月